FATFグレーリストとは?
金融活動作業部会(FATF:Financial Action Task Force) は、1989年に設立された複数の国の政府が協力して活動する政府間組織で、マネーロンダリング対策(AML)に関する国際基準の策定を目的としています。
その活動の一環として、FATFは「強化モニタリング対象国リスト(Jurisdictions Under Increased Monitoring)」、いわゆる グレーリスト を公表しています。
グレーリストに掲載された国や地域は、マネーロンダリング、テロ資金の供与、そして大量破壊兵器拡散に関わる資金供与 への対策を強化するため、一定の期間内に体制上の課題の改善に向けてFATAと連携し、改善に取り組みます。
2025年6月時点で、以下の国と地域がグレーリストに指定されています。
| アルジェリア | ハイチ | ナイジェリア |
| アンゴラ | ケニア | 南アフリカ |
| ボリビア | ラオス人民民主共和国 | 南スーダン |
| ブルガリア | レバノン | シリア |
| ブルキナファソ | モナコ | ベネズエラ |
| カメルーン | モザンビーク | ベトナム |
| コートジボワール | ナミビア | ヴァージン諸島(英国) |
| コンゴ民主共和国 | ネパール | イエメン |
FATFグレーリストが重視される理由
FATFは、世界各国の規制当局や金融機関にとって、マネーロンダリング対策の国際的な基準を提供する信頼できる機関です。グレーリストはその中核的な役割を担っており、FATFはリスト掲載国や掲載地域と密接に連携し、マネーロンダリング対策の改善状況を継続的にモニタリングしています。また、リストに掲載されていない国や地域についても、リストの正確性と信頼性を確保するために継続的に審査を行っています。
グレーリスト掲載国や掲載地域との取引は潜在的なリスクを伴うと考えられており、より慎重な確認や調査が求められる場合があります。
FATFは「強化されたデューデリジェンス(EDD/Enhanced Due Diligence)」を明確に義務付けてはいませんが、リストに掲載された国や地域は国際的な評価や銀行・投資家との関係に悪影響を及ぼすケースがあります。
一方、リストから除外された国や地域は、マネーロンダリング対策がFATFの基準を満たしたことを示すものであり、改善が認められた証として国際社会からの信頼や評価の回復につながります。
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FATFグレーリストの最新動向
FATFのグレーリストに関する主要な動きは、通常、該当国・該当地域が新たにリストに追加される時、あるいは改善が認められてリストから除外される時に発表されます。
2025年の動向としては、ボリビアおよび英領ヴァージン諸島(イギリス)が新たにグレーリストに追加されたことが挙げられます。
一方で、クロアチア、マリ、フィリピン、タンザニア連合共和国の4か国は、マネーロンダリング対策(AML)およびテロ資金供与対策(CFT)の不備に関する対応が前進したと評価され、リストから除外されています。
また、FATFは、報告期限が迫っていない国・地域に対して、自主的に進捗状況を報告する柔軟な対応を認めています。
2025年2月以降、FATFは以下の国々の進捗状況を審査しています。
アンゴラ、ブルガリア、ブルキナファソ、カメルーン、コートジボワール、クロアチア、コンゴ民主共和国、ハイチ、ケニア、マリ、モナコ、モザンビーク、ナミビア、ナイジェリア、南アフリカ、南スーダン、タンザニア、ベネズエラ、ベトナム
FATFのグレーリスト対象国や地域をより厳密にモニタリングする方法
コンプライアンスに取り組む金融機関、または、不正取引を追跡する政府調査機関でも、マネーロンダリング対策(AML)においては情報が成功の鍵を握ります。
グレーリストに掲載された対象国や地域に関連する取引を調査する際、リスクを明らかにするには、公的記録が極めて重要になります。
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「Real Estate Money Laundering(REML)/ 不動産マネーロンダリング(REML):累計と新たな対策をご覧ください。