米国土安全保障省(DHS)、強制労働執行に向けた新たな重点セクターを追加

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2025年8月、米国国土安全保障省(DHS)はウイグル強制労働防止法(UFLPA)の取り締まりにおいて、重点的に監視·執行する5つのセクターを新たに追加しました。これらのセクターが指定された背景には、サプライチェーンにおける強制労働のリスクに加え、中国政府による新疆ウイグル自治区への重点投資や、同地域が該当する製品の主要な生産拠点であることを示す十分な情報があると米国政府が判断したという経緯があります。

今回、以下の5つの分野が新たに重点セクターとして指定されました:

  • 水酸化ナトリウム: 中国は世界最大の水酸化ナトリウム生産国であり、2022年時点で新疆ウイグル自治区は中国国内で第4位の生産量を誇ります。
  • 銅: 新疆ウイグル自治区の銅産業は中国政府や自治区当局による重点的な投資施策の対象となっています。その一方で、複数の関連事業体において強制労働の利用や関与を裏付ける信頼性の高い証拠が見つかっています。
  • ナツメ: 中国は世界最大のナツメ生産・輸出国であり、世界シェアの40%を占めています。また、世界のナツメの20%が新疆ウイグル自治区産です。
  • リチウム: 中国のリチウム埋蔵量は世界全体の6%から16.5%へと大幅に増加しました。新疆ウイグル自治区は、その新たな埋蔵地の一つとして注目されています。
  • 鉄鋼: 新疆ウイグル自治区政府と新疆生産建設兵団(XPCC)は鉄鋼を重要産業と位置づけ、この地域における鉄鋼分野への投資や製品開発を重点的に進めています。

今回の追加により、これらの5つのセクターは、UFLPA制定当初からの指定セクター(アルミニウム、衣料品、綿・綿製品、ポリ塩化ビニル、水産物、シリカ製品、トマト関連製品)と並び、法執行の重点対象となります。

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新たに追加された重点セクターが民間企業に与える影響

特定のセクターを「重点セクター」となることは、その分野の製品を含むサプライチェーンを徹底的に精査すべきであるという、米国政府からの事実上の警告を意味します。加えて米国政府は、対象セクター内の企業をUFLPAに基づく禁輸リストに登録するための審査を優先的に進める方針です。これに伴い、関連する米国連邦当局もそれぞれの所管する権限に基づき、これらのセクターに属する企業への法執行に向けた本格的な検討に入ります。

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企業は今後、強制労働が関与している原材料の混入を防ぐため、対象の新セクターに対してこれまで以上に厳格な精査を行うことを義務付けられます。そのためには一次サプライヤーを超えてサプライチェーンを深く遡り、多層的な構造を可視化して把握することが極めて重要です。

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